アドベンチャーコラム:第2回「これってハイキング?トレッキング?」
皆様、お久しぶりです!
日本アドベンチャーツーリズム協議会の高田です。
とうとう5月も終わり、6月になりました。2021年の半分がもうすぐ終わろうとしています。
昨今のコロナウイルスの影響で今年9月に北海道で開催予定だったAdventure Travel World Summit(ATWS)も、リアル開催からウェブプラットフォームによるバーチャル開催になったことはもうご存知かと思います。
本来北海道で開催した際には、来日した世界各国のAT事業者の皆様が日本のATを体験できる、Pre-Summit Adventure(PSA)と Day of Adventure(DOA)が予定されておりました。この国際大会のために日本各地のAT事業者の皆様が腕によりをかけて作られたATツアーを作るにあたり、当協議会も心ばかりご協力させていただきましたが、今回大会自体がバーチャルの為、参加者が直接体験できないことは大変残念です。しかし今回作られたコースは決して無駄にはならず、海外渡航が解禁になった際の海外のAT顧客をはじめ、日本の旅行社の皆様にも十分ご満足いただけるレベルのツアーが出来ていると私は感じました。
今回はそのPSA及びDOAを作る際に多くいただきました質問についてお話しします。
「ハイキング、トレッキング等のウォーキングツアーの名称について明確な定義はあるの?」
私が対応した下見旅行の際に、トレッキングに参加したことがありました。
我々はよくある登山として通常用意する雨具や、携行食、飲料水などを準備しましたが、海外からの参加者が自身の荷物全てが入った70リットル級のバックパックをパンパンにして集合場所にやってきたのです。
お客様に向けたツアーを作る時に注意する点の一つに「お客様に自身の意図している事を明確に伝える」という点は異論は無いのではないでしょうか?特にATツアーの中には参加者が命を落としたり、深刻な怪我等を負ってしまうリスクがあるアクティビティも少なくはありません。どんなにガイドが慣れた山道での登山でも、急激な天候不順による遭難や低体温症など、参加者の生命に直結する最悪の事態を常に想定しておかなければいけません。そして間違った情報や、誤った理解による事前準備を行ったために、事態を悪化させてしまう可能性もあります。このようなリスクを最小限にするために、ATツアーの参加者には「どのようなアクティビティを行うのか」を明確に伝え、その情報に沿った事前準備を行う事が必要です。
特に海外のお客様等の対応時には「言葉の壁」という高い壁が存在します。
上記の例にも出しましたが、登山のネーミングを「ハイキング」または「トレッキング」という名称に直すと、同じ「登山」でありながら、AT顧客が考える内容は全く変わってきます。
ここではATTAが世界各地のツアー等を視察・調査・研究する際に使用する各アクティビティの名称とその内容を表にしてご紹介いたします。
上記の表にあるようにハイキングとトレッキングの違いは。
ハイキング = スタート地点とゴール地点が同じ・基本的に一日で終了する。
トレッキング = スタート地点とゴール地点が違う・基本的に複数日にまたがった旅程となる。
もちろん上記に当てはまらないものもあるかと思いますが、上記を一定の基準としていただければATツアー参加者への説明の方がより伝わりやすくなるのではないでしょうか!
みなさん、良いアドベンチャーを!
高田健右:JATO事務局/Adventure Travel Trade Association , Ambassador