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【正会員便り】第4回は長野県観光機構様から寄稿いただきました。

 

【正会員便り】「長野県のアドベンチャーツーリズムへの取り組み」

                                 長野県観光機構

 長野県は、海がない代わりに山岳や湖などの豊かな自然資源・景観を有しています。また、江戸時代に整備された五街道のひとつ「中山道」の要衝を多く抱えることで育まれた歴史や文化が多く存在する、まさにアドベンチャーフィールドに適した地域です。

 長野県観光機構では、ATを長野県の強みとして捉え、県内各エリアと連携したATコンテンツの造成やプロモーションを進めてきており、昨年北海道を会場に開催されたATWSでは、中山道をフックとした県内を横断するコースが、プレサミットアドベンチャーとして採用され、参加者からは好評をいただきました。

 しかしながら、昨今のAT需要の高まりから、コンテンツ素材は豊富にあるものの、案内するツアーガイドの不足によるマッチングの難しさや、旅行者のマナー違反やモラルの欠如、安全管理を怠る危険なガイドの存在など、運営上の課題がすこしづつ顕在化してきています。

 そこで当機構および長野県では、県内をフィールドとして活躍するガイドたちを守りながら協働を進めていくために、昨年度からATガイドの養成プログラムに注力をしています。このATガイド養成プログラムは、ATTAが策定するアドベンチャートラベルガイドスタンダード(ATGS)を基本として、持続可能性、技術的能力&ファーストエイド、安全・危機管理、顧客サービスとグループ管理、自然・文化・歴史の解説、といった重要基準を踏まえたプログラム設定をしています。

 

 昨年度は、主に山岳フィールドにおけるガイド養成を行いましたが、本年(令和6年度)は、山岳以外のATフィールドにも裾野を広げて、湖畔のアクティビティやサイクリングなど、多様なガイド業務にも対応できるような取り組みを進めており、プログラムを通じて、ATガイドとしての品質の維持向上を図ることはもちろんのこと、並行して「長野県版ATガイド基準」の検証を実施しています。

 すべての画像出典:長野県観光機構(本年に実施されたATガイド研修の様子)

  

 こうした、「長野県版ATガイド基準」を明確にすることができれば、県内におけるATガイドとしての信頼性を向上させることができるとともに、異なるフィールドで活躍するATガイド同士が連携できるネットワークの形成にもつながると信じております。その結果として、一個人のガイドでは担えないAT商品を、別ジャンルのガイドと連携・補完しながらオペレーションすることで、より幅広いニーズに応えられるAT商品企画・造成・販売が可能となる、といったような効果も期待しています。

 アドベンチャーフィールド長野県として相応しいAT商品を企画して販売に結びつけることのできるような関係者間での体制を築き、長野県がアウトドアの聖地として輝くことができることを目指して、今後も、県内ガイドの皆様、行政機関、当機構がそれぞれの役割を果たしながら協働して、長野県AT事業を推進してまいります。

                                    以上

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